ICLを受けた眼科医にお話を伺いました(第4弾)

インタビュー | 2019.09.05

今回は、現在、眼科後期研修中であり、育児をしながら専門医をめざしている女医さん、福島 晶先生(埼玉県在住)にお話を伺ってきました。今年1月にご長男が誕生し、現在、子育てに奮闘されているママさんドクターの福島先生に、「眼科医」というより「患者さんの目線」でICLについて語って頂きました(2019年7月16日インタビュー)。

福島先生はいつごろから視力低下に気付かれたのでしょうか? ICLに至るまでのメガネやコンタクトレンズのご経験などお聞かせ下さいますか。

私は小学校低学年で近視になりメガネを掛けていました。中学生に入る頃には、既にコンタクトレンズでしたね。勉強のし過ぎでしたか?と聞かれたりしますが、暗いところで本やマンガを読んでいたせいです(笑)。以来、ずっとコンタクトレンズで過ごしてきました。

兄が21歳の時に、レーシックを父から受けたので、初めはLASIKを検討していました。しかし、私のコンタクトレンズの度数は-8Dくらいなので、メガネで完全矯正しようとすると-10Dくらいになります。当然、LASIKでの角膜切除量は相応に大きくなりますし、regression(屈折の戻り)のリスクも考えると、積極的に屈折矯正手術を受けようとは考えてはいませんでした。また永くコンタクトレンズの生活で特段に不便を感じていなかったので、目に侵襲を加える屈折矯正手術は何となく避けたいな、という気持ちでした。それから何年か経ち、大学を卒業して研修医の2年目に父からICLのことを聞きました。眼科医としてお恥ずかしい話ですが私はICLについてはほとんど知りませんでしたので、自分なりにいろいろ調べた結果Hole ICLの存在を知り、「これは、いいかも」と思い、父にお願いして父の古くからの友人である清水公也 先生(現:山王病院アイセンター センター長)にICL手術をして頂きました。2016年3月のことです。(※インタビュアー註:安里眼科 安里良盛 先生)

ICL手術を受けて34ヶ月過ぎましたが、いかがですか?

本当に世界が変わりました!手術を受けて本当に良かったです。特に長男が生まれてからは夜間の授乳時などで、暗い中、いちいちメガネを探したりする手間もなく、「そのままの裸眼で良く見える」ことに感謝しています。乳幼児の育児中のママには良好な裸眼視力があるとすごく便利で楽!ということを、声を大にして言いたいです^^。

また最近、地震や大雨による洪水など自然災害のニュースも多いですが、緊急時に裸眼視力は大切です。メガネはなくしてしまうこともあるでしょうし、就寝中に災害が発生した時などコンタクトレンズを装用しているヒマなどないかもしれませんしね。それに視力が良くないと「避難先や避難所で人を探すことができない。掲示されている書面に顔を近づけないと読めない。とにかく不便。」と聞きました。いざという時にこそ「裸眼でちゃんと見える」ということは非常に重要だと思います。

ご自身のICL手術はどのようなものでしたでしょう?

眼科の手術を受けるのは初めてでした。怖くないと思っていたものの(自分に言い聞かせていました:(笑))、後で手術動画を見ると固視が全然だめでしたね~。もうキョロキョロしたり、上転したり・・、術者泣かせだったと思います(清水先生、ごめんなさい・・・m(__)m)。もともと強度近視ですからボンヤリとしか見えない固視灯の凝視は予想以上に難しかったです。あと手術顕微鏡の光はやっぱり眩しかったですね。

ICLが挿入されるシーンでは、このインタビューに登場された先生方がおっしゃるように「目を上から押される感じ」というのが正直な感想です。痛くはありませんが。前房に挿入されたICLを虹彩下に整復するところでは、痛み・・・と言うより瞬間的な鈍く重い感覚を覚えることが数度あったと思います。鈍痛、と言ってしまえばそれまでですが、ちょっと言い表しにくい不思議な感覚でしたね。

片眼の手術が終わってドレープを外してもらって僚眼の手術に移る時(両眼同時手術でした)、ICLが挿入された方の眼は手術直後にも関わらず「え、何? もう見えてる!?」ということで、ちょっと感動しました^^。

手術後の見え方で気になったことはありましたか?

ICL手術後、1週間くらいは起床時に室内の景色にピントが合うまで一瞬、時間が掛かるようなイメージでしたが、直ぐになくなりました。

またハロー・グレアですが、術直後は夜道の街灯を見ていると、光源を取り巻くようにハローが見え、じっと凝視すると消えるといったり、不思議な状態がありました。術後の外来での暗室での診察でも同じようなことを感じました。

またグレアもたまに感じることもありましたが、気になるほどではなかったです。初めはとても気にしていたのですが、いずれも1ヶ月くらいで気にならなくなりました。私自身が楽天的であまり神経質でない(?(笑))ことも良い方に作用したのかもしれませんね。

術後、視力以外の検査値はどうですか?

角膜内皮細胞密度は有意な減少もなく通常の範囲で、眼圧も正常範囲で問題はありません。なお私自身には内眼的な既往疾患はなかったものの、フレア値が少し高めとのことでしたが、数ヶ月後には正常範囲になり現在に至っています。

ICL手術の満足度は?

100%です! 本当にICL手術を受けて良かったと思っています。ICLの存在を教えてくれた父と、手術して下さった清水先生に大変に感謝しております。ありがとうございました!

最後に屈折矯正手術を検討されている患者さんにアドバイスをお願いします。

自分自身の経験から、育児中に良好な裸眼視力があることで本当に助かっています。なので女性のみなさん(あ、もちろん男性も育児の当事者ですよね^^;)、是非、屈折矯正手術、特にICLは検討頂く価値がありますよ、と強くお勧めしたいです。また、私のように強度近視で以前にLASIKの検査をして不適応であった方も、今一度ICLを検討なさると良いのでは、と思います。

他にも、夜間業務があるなど勤務時間が不規則なお仕事に就いておられる方々では、コンタクトレンズの装用時間を計画的にできないことがあると思います。無理な装用は好ましくないのでICLを検討されても良いと思います。ICLはLASIKに比べて、手術費用が高いものの、その価値は充分にあると思います。

お忙しいところ、お時間を頂戴してありがとうございました。

 

福島先生のICL手術をなさった清水公也 先生(山王病院アイセンター)からメッセージを頂きました。

安里先生とは永く良き友人としてお付き合いをさせて頂いてます。そのご令嬢である晶 先生の手術で、万一、何かトラブルでもあったら安里先生とのこれまでの友情にひびが入ったり、一生、恨まれてしまうことになりかねませんが、私自身の20年以上の経験から得たICLへの絶大な確信を持って、晶 先生の手術に臨みました。良好な経過で術者としても大変に喜ばしく思っています。ICLはLASIKやSMILEに比較して矯正範囲の広さや精度はもちろん、安全性も非常に高い有用な屈折矯正手術であると考えています。

安里眼科おもろまち駅前院福島 晶先生

福島先生のご実家、安里眼科おもろまち駅前院(沖縄県那覇市)もICL手術に取り組まれています。

安里眼科おもろまち駅前院